吉見俊哉

昨日は御茶ノ水三省堂吉見俊哉さんの話を聞きに行った。

彼の都市に関する仕事を行ったきっかけに「テクストの読み込みだけを行っているように思える都市論に対する不満があり、もっと人と人とが実際にぶつかり在るリアルなドラマが生まれる場所として都市を見ることができないか」という思いがあったと言っていた。

建築学科の学生の課題はまさしくテクストの読み込みであり、それに対していかに上手く答えているように見せるかという点に重きが置かれているように思う。しかしながらそれはクライアントと予算という問題を無視できる学生たちの錯覚であり、実際はもっと生々しいドラマが生まれている。

吉見さんの昨日の話は、都市の中で自分勝手なテクストの読解とそれにもとづく自己満足的なデザインの発表に満足し、生々しい現実から目をそれせがちな私達建築に係わる学生に対するするどい批判のように聞こえてしまった。

他にもテクノロジーの発達過程に関する話や日本におけるメディア研究の現状に関する話など興味深い話聞くことができた。

帰り際、三省堂の思惑にまんまと乗せられてしまい吉見さんの話の中で出てきた本を2冊購入、財布に余裕を持って本屋に行ってはいけない。