不安の正体

昔の本を読んでいたら宮内康さんの
「今日の都市の風景は、建築基準法都市計画法のほぼ正確な自己表現を見ることができる。」
という言葉が目にとまりました。日本列島改造計画を打ち出した田中角栄が辞任した翌年、1975年のことです。


そこから丁度30年経ったわけですが、その時間は法による「自己表現」が崩れ去ってゆく過程だったような気がします。1985年には中核派国鉄同時多発ゲリラ、1995年には阪神淡路大震災がありました。そして今騒がれている姉歯事件。


1975年頃が一体どのような時代だったのか、1980年代生まれの私は想像するしかありませんが、すくなくとも国鉄がある日突然寸断されたり、高速道路がなぎ倒しになったり、構造強度が偽装されたりといった事は想像していなかったと思います。この30年で法による自己表現は様々な角度から切り崩され、都市に対する不安は確実に大きくなっている気がしてしまいます。


天皇が女性になったり、憲法が変わったり、といった話しも、今まで変わりそうもないと思われていたものが変わるという意味では、不安を大きくしている要素です。この「不安」は一体どこに行くのでしょうか


と思っていたら自分の本棚で見つけました
「不安の正体!」金子勝 アンドリュー・デウィット 藤原帰一 宮台真司 筑摩書房
そういえばこんな本も随分前に読んだ気が・・・・