001 有頂天ホテル

例えば恋愛モノで、最後に主人公がどっちを選ぶかみたいな状況になったとき、ラストで自分が望む方向に話が進んだ方が共感を得やすいと思います。スポーツモノだったら最後は自分が思い入れがある方に勝ってほしいと思うし、その通りになるとやっぱり感動してしまう。


この映画は、多分だれもが楽しめる映画です。いくつものストーリー、いくつもの価値判断が重層しているから、どこかしら共感できる部分はあるわけで、共感できる部分が多ければ多いほど楽しめるのだと思います。


夢はあきらめない方がいいとか、
かっこ悪くても自分のやりたいことをやるとか、
年下の愛人とは最後は幸せになってほしいとか、
そのどれにも共感できず、映画館でまわりが何に笑って、何に感動しているのか全く共感できない人がいるとしたらかなり少数はだと思います。そういう人とはちょっと違った感性の持ち主と友達になりたいと、すっかり三谷ワールドにはまってしまった僕は思うのです。