黒澤明

黒沢映画をみた
「赤ひげ」「生きものの記録」
どちらもすごい映画だった。


「生きものの記録」はとても考えさせられた。主題になっている原爆の恐怖は今日の国際状況を考えると薄らいだと言っていいだろう。ただ代わりに何かうまく見る事の出来ない不安のようなものが、社会に充満している気がする。むしろ見ようとしていないだけで、真剣に考えだしたら、映画の主人公のように気が狂ってしまうかもしれない。問題はどのような不安が、どの程度社会に広まっているか見定める事だろう。


「赤ひげ」もよかった。かなり長い映画だったけど一気に見れる。登場人物が一人一人が鮮やかにスクリーンに描かれている。三船は「生きものに記録」とは別人のような演技を見せてくれる。山崎努は若い頃から老けている。加山雄三はさすがにかっこいい。ほかの俳優たちも一人一人個性的で見ていて楽しい。


「制作費」とか「どれたけCG使ったか」とか「豪華キャスト」とかそんなもんは映画の本質とはなんも関係ない。映画の本質ってやっぱり登場する「人」がどれたけ魅力的かということなんじゃなかろうか。
なんてことをおもった。