宇宙と歴史

「奇想、宇宙をゆく」を読み始めた。
その序文に面白い事が書いてあった。
佐藤勝彦氏曰く、「宇宙では、遠くを見るということは過去を観察することである。」


この言葉の何が面白いかと言うと、僕は以前から同じことを歴史について
感じていたからです。
建築では歴史を振り返る試が何度となく繰り返されてきました。
伊勢、桂を巡る議論は1930年代にはじまり現在まで続いています。
伊勢、桂だけではなく、最近では旧石器時代までさかのぼろうとする動きもあります。


なぜ歴史をふりかえるのか。
それ自体、非常に大きな問題ではありますが
少なくとも建築においては「何か新しい建築をつくるためのネタ探し」的な要素は無視できないでしょう。
多少毒のある言い方になってしまいましたが、
遠い未来を見るためには、過去を見つめることが必要だと僕は思っています。


この考え自体は僕個人の思考に過ぎませんが、
宇宙論においてはそれが、きわめて具体的に実際に行っているということが
とても不思議な感じがしました。