背中で踊る舞踏家

9日に東京都文化会館のコンセートを聞きにいった。
今回も建築見学が目標で、はじめて大ホールを体験する事ができて感動
平良さんは祝祭空間と言っていたが確かにそんな感じがした。


建築も面白かったけど、もっと面白かったのは指揮者
あれは舞踏家です。
映像でしか見た事がなかったのですが、生で見ると指揮者がいかに激しい動きをしているのか解りました。まるで指揮者の体の延長に楽器がついているような感じです。オーケストラが指揮者を中心とした一つの生きもののように感じました。


ただ、指揮者が特徴的なのは決してこっちを向かないで、いつも背中を向けている事です。そうした意味で指揮者は背中で踊る舞踏家のようでもありました。


もう1つ特徴的だと思ったのは、指揮者の場合その舞踏が音楽より前に有る事です。つまり多くの場合、舞踏家は音楽に合わせて体を動かしてゆくわけで、そこには音が先に有るわけです。でも指揮者の場合は音を出すための舞踏であって、音より先に体が有るわけです。


だから指揮者の前で舞踏家に踊ってもらったら面白いかもしれません。音を出す身体と音によって表現される身体が同時に重なって見えるというのは何だか見てみたい光景です。