007フェルメール 「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

10時の開館に合わせて行ったけど、かなり込んでいた。

「牛乳を注ぐ女」の前などは4重ぐらいに人が取り囲んでいて
落ち着いてゆっくり見る雰囲気ではなくて、
「やっぱり、アムステルダムで見たときの方がよかったな〜」
など、ついかっこつけた台詞の一つも言いたくなってしまったけど
それでも、いい展示だった。


「牛乳を注ぐ女」についていえば、何がいいかと言えば
壁の白さがいい。
装飾も何もないごく普通のただの白い壁に光があたった時の美しさ
みたいなものがとても強く印象に残っている。


白に関して言えば、ヘラルト・テル・ボルフの「農民の衣装を身に着けた女」
もよかった。
暗闇にうかぶ、女性の肌の白さがなんともいえずきれいだった。


ただ、人間の白い肌の美しさみたいなものは、それ以前も繰り返し
書かれていたわけで、ただの白い壁の美しさを書いたフェルメールはやっぱりすごい。


もう一つ、気になったのは台所の話。
風俗画ということで、何枚か台所を書いた絵があったけど
どれも台所らしくないのがおもしろかった。
圧倒的に、ぼくらの想像する台所に比べてモノが少なくて
極端に言えば、暖炉の前に椅子が一つあればそこが台所みたいな感じだった。


考えてみると、水道の蛇口のない時代は、火のあるところが
台所であり、居間であったはずだ。
そう考えると、今の台所は便利だけど、面白みに欠けるきがした。