047インド経営大学
これまた感動の一言
(つづく)
やっぱりカーン
早朝ムンバイからアーメダバードに到着
移動
アーメダバードに行くはずが、途中コルタコで飛行機の出発が1時間遅れ、ムンバイからアーメダバード行きの飛行機に乗り遅れる。やむなくムンバイで一泊。
046 Jatiyo Sangshad Bhaban
旅の二日目にして最大の見せ場のバングラディッシュの国会議事堂。積み木のお城みたいな不思議な外観だが、建物の内部は感動の一言しか思い浮かばない。カーンの愛した沈黙と光が確かにそこにあった。
この建築の中を一周すれば必ずどこかで美しい光に出会う事ができる。僕の場合それは南側の大きな丸窓から落ちる光であったが、もし違う時間に来たら、違う光を見つけただろう。
この建築の魅力は遺跡や廃墟を歩くことの魅力と似ている。僕にとって遺跡や廃墟を歩く魅力は2つある。
・自然の光を常に感じる事ができること
・静かであること
そして書きながら気がついた事だが、この二つはそのままカーンの言う「沈黙と光」に対応している。
カーンはこう言っている。
「建物の用途が消費され、廃墟になるとき、元初の驚異がふたたび甦ります。廃墟はからみつくつる草を気持ちよく受け入れ、ふたたび精神の高揚を取り戻し、苦役から解放されます。」
この国会議事堂は、独立戦争のとき古代の遺跡だと思われて爆撃の対象とならなかったということをホテルに戻ってから思い出した。
044 Grameen Bank Housing Programme
生活の仕方が何より面白い。寝室と台所とリビングが全て一部屋にまとまっている感じ。こう書くと、ただの狭い家で、現代の日本人からみると何だかすごく住みづらそうだけどそれは、あくまでこっちの感覚であって現地の人はそれで不自由なく暮らしているようだ。
住まいを考える上で、寝室であったり、リビングであったり、何となく当然必要なものとして考えられている要素は多々ある。でも、違う国の住宅を見てみるとそうした「当然必要なもの」もよく考えてみるとあんまりいらないんじゃないかという気がしてくる。
施工の話をすると
土台を作るのに7人×7日 建物本体が3人×15日
耐用年数は、自然災害がなければ20-30年程度は持つそうだ。
お金の話をすると
だいたい日本円で5万円程度で写真の家ならできてしまうとのこと、話を聞いた家ではだいたい1/3は自分たちで用意して、残りの2/3をGrameen Bank Housing Programmeから借り入れたと言っていた。ただそのローンも6年ほどで返済したそうだ。
なんで5万円で家ができてしまうかと言うと、家が小さくて材料費が安いというのもあるけれど、人件費が含まれていないと言う要因もある。人を雇うこともあるけど基本的に全て自分たちで家は作ってしまっているらしい。バングラディッシュは確かに貧しい国ではある。けれども5〜6年で返せるような金額のローンで、広くはないけど自分たちに住むには十分な大きさの家を自分たちの手で建てる事のできる社会というのは結構いいところなのではないだろうか。
様々な面で自分がいかに日本の住まいの常識みたいなものに縛られていたか痛感する体験。初日から強烈でした。