046 Jatiyo Sangshad Bhaban

旅の二日目にして最大の見せ場のバングラディッシュの国会議事堂。積み木のお城みたいな不思議な外観だが、建物の内部は感動の一言しか思い浮かばない。カーンの愛した沈黙と光が確かにそこにあった。


この建築の中を一周すれば必ずどこかで美しい光に出会う事ができる。僕の場合それは南側の大きな丸窓から落ちる光であったが、もし違う時間に来たら、違う光を見つけただろう。


この建築の魅力は遺跡や廃墟を歩くことの魅力と似ている。僕にとって遺跡や廃墟を歩く魅力は2つある。
・自然の光を常に感じる事ができること
・静かであること
そして書きながら気がついた事だが、この二つはそのままカーンの言う「沈黙と光」に対応している。


カーンはこう言っている。
「建物の用途が消費され、廃墟になるとき、元初の驚異がふたたび甦ります。廃墟はからみつくつる草を気持ちよく受け入れ、ふたたび精神の高揚を取り戻し、苦役から解放されます。」


この国会議事堂は、独立戦争のとき古代の遺跡だと思われて爆撃の対象とならなかったということをホテルに戻ってから思い出した。