004 善光寺

建築史を大学で専門にしながら、善光寺のことはほとんど知らなかったのだけど、せっかく長野県民になったので行ってみた。あいにく三門は修復中でしたが、本堂はみることができた。本堂は正面から見ると寄せ棟のようだが、実際は「撞木造り」と呼ばれる独特の形をしている。(なぜそのような形がとられたのかはわかりません。知っていたら教えてください。)


ただ、「撞木造り」よりも面白かったのが、「戒壇廻り」だった。茂木健一郎の「脳と仮想」においても、それを「私の中の「思い出せない記憶」を探り当てた。」と表現しているが、真っ暗闇の中を歩くという行為は、確かに何か特別な感情を呼び起こす。(なんせ、目を閉じている状態と目を開けている状態が全くかわらない。)ちょっと怪しげな言い方をすれば、身体の枠を超えて自分が外に広がっていってしまうような感覚におちいる。思えば東京の夜はどこでも明るかったような気がする。本当は夜は暗いはずで、新月の晩は真っ暗になっていたはずだ。「戒壇廻り」を終わってそんなことを思った。