環境について

kentoida2007-02-03

「地球に優しい」とか「ECO」とか「環境配慮」とか何だか聞くのも嫌というぐらいいろいろな所で耳にする言葉です。僕はもともとあまりそういう話は好きになれなくて、「ECO」って結局人間の「EGO」みたいなものじゃないかとか思っていたのですが、最近はそうはいってもやっぱり真剣に考えなくてはならないんじゃないかと思い始めています。


もちろん、本当に地球の環境がまずいことになっているんじゃないかという思いはあります。ただ、僕が今回書きたいのはそういうことではなくて、あくまで住宅メーカー社員という視点にから見た時の「環境」についてです。


そもそも、工場で住宅をつくるというアイディアの背景には、住宅難の解消と生活水準の引き上げ、それによる新しい民主主義社会の実現という建築家たちの夢があったように思います。しかしながら、現在ではむしろ家が余るような状況ですし、これから住宅不足になるという話も全く聞きません。民主主義に至ってはもはや歴史の本の中の言葉というのが多くの人の正直な感覚のような気がします。最近僕は住宅メーカーの社会的な意味というのがもはやなくなりつつあるような気がしてします。


そこで、環境です。いくら建築家が環境配慮型の住宅をつくったところで、それはひとつのモデルを示すことになったとしても具体的にどの程度のエネルギーを節約したりできるかというとたかが知れています。年間一万棟以上という規模があるからこそできる環境への取り組みというのはあるはずですし、それこそが住宅メーカーの取り組むべき問題であるようにおもいます。


建築はある意味環境破壊に直結しています。木造で作ればその分の木はどこからか持ってきている訳です。そこを逆転させて作れば作るほども森を増やし、空気をきれいにし、周囲の環境を良くしてゆくような住宅ができたらいいな〜とたまに思うのです。(写真は大谷石の採掘現場、立派な環境破壊とも言えますが、好きな写真でもあります)