005 仁科神明宮

せっかく松本にいるので仁科神明宮を見に行ってきた。「少なくとも年に4回、季節ごとに見に行った方がいい」とアドバイスしてくれた人がいたけど、まさにその通りで、僕も何度も見に行く価値がある建築物だと思う。


敷地内をブラブラ歩きながら、ふとロージエの「建築試論」にでてくる「プリミティブ・ハット」を思い出した。あの絵だけでオーダーでつくられた石の神殿の後ろに木でつくられた原始的な小屋を見るのはちょっと難しいしけど、仁科神明宮の後ろに「プリミティブ・ハット」を見ることはできる。


それは、仁科神明宮が原始的な建築かというとそうではなく、むしろ様式として非常に洗練されている。しかしながら、仁科神明宮がすごいのが、一方で非常に洗練された様式をもちながら、同時に周囲の森の中にも非常によく溶け込んでいるというところだ。天から舞い降りてきたような超越性と地からはえてきたような土着性が混在しているとでもいったらよいのだろうか。少なくとも小高い丘の上に基壇を作ってつくる西洋の石の神殿とはまったく違う建築のあり方のように思う。


何だかよく解らない日本語をたくさん書いてしまったが、ともかくいい建築です。