010 仁科神明宮

kentoida2007-06-24

再び、仁科神明宮。
鳥居をくぐると本当にそこに神様がおりてきそうな雰囲気の空間が広がっている。
この感じを味わいたくて日曜の朝から車で一時間かけてやってきた


しばらく眺めていると不思議なことに気がついた。
本殿と手前の拝殿の堅魚木の位置がすこしずれている。
つまり、参道の中心線(動線の軸線)と本殿、拝殿の中心線(建物の軸線)がズレている。


面白いのは、本殿と拝殿の軸がそろう位置で見ると
建物の印象が全然違うということ。
多分それは堅魚木のせいで、手前と奥の堅魚木がきれいに重なると
建物の軸線が強調されて、まわりの雰囲気の中で建物が浮いて見える。
「神様がおりてきそうな雰囲気」がうすらいでしまう。


そこで思い出したのはカンボジアに行った時のこと。
Ta Prohmは森が遺跡を飲み込んでいることが有名だけど
そこで驚いたのは、どんなに遺跡がボロボロでも、中央祠堂を中心に
南北に軸線が設定されそれが、敷地の端からでもきれいに通って見えていた。
Ta Prohmを作った人たちが仁科神明宮を見たらきっと
イライラして黙って参道と本堂の軸線を揃えるだろう。



こうした軸線に対する意識の違いが
石と木という素材の違いによるものなのか
それとも、うっそうとしたジャングルと整然とした杉並木という環境の違いによるものなのか
いろいろと想像が膨らむ。