工場で働く

kentoida2007-07-01

半日ほど工場で住宅が作られていくのを見ていたが、
工場の騒音と熱気は思った以上にひどかった。
もちろん、工場にはよく行くけど長時間いてはじめて
作業環境の大変さに気がついた。


でも、働いている人はみんな一生懸命で、
僕の倍ぐらいある太い腕でビスを打ったり、
パネルを運んだりしている。
それに比べて、僕は大学院ででますなんて
言ったってまだ何も出来ない。
実際の現場で働く人たちのためにも、
「安く」て「高性能」で、「作りやすい」
住宅を考えなくてはならないと思った。


ただ、「作りやすさ」はちょっと悩ましい。
作業をどんどん単純にして言って、全てがの作業が
自分の前に部材が来たら何も考えずにスイッチを押すみたいになってしまったら、
作業する人のやりがいみたいなものはあるのだろうか?


突き詰めれば工場は機械が働くところで、
本来、人間が働くところでは無いような気がする。
もちろん、今でも工場で働いている人たちはたくさんいるわけで
その人たちの事を考えると簡単には言えないのだけど
工業化住宅として、性能とコストを追求してゆくのなら
機械で出来るものでなくてはならないし、
人の手を入れなくてはならないならそうれは工業製品ではなくて工芸品
になってしまう。


人間が、効率的に作業できる環境はかなり限定されている。
温度が熱すぎても寒すぎてもだめだし、
明るさも必要だし、あんまりウルサくては集中できない。
でも機械は違う。少なくとも人間よりは作業できる環境の幅は広い。
この二つが同じ箱の中で同時に働くのはそもそも無理があるのかもしれない。
工業製品にこだわるのなら、やはり機械にあわせていかざるえないのでは
ないだろうか。


写真はまだ「工業化」が表現だった時代の懐かしい一枚。
(Postal Savings Bank, Otto Wagner, 1906)
ナニヲカイテイルノヤラ