感動

kentoida2007-09-13

小林秀雄の講演は面白くていろいろ聞いたけど、そのなかで「感動」について
話していたことを良く憶えている。

小林秀雄こういうようなことを言っていた。
「感動している時は、世界はなくなり、自分自身になることができる。
 それが個性というものだ。
 自分の仕事はまずはじめに言葉にできない感動があった。
 その感動を何とか形にしようと思って今日までやってきた。
 感動しない限り人間は常にバラバラである。」
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何でこの話を良く憶えているかというと同じような事を
まったく別のところでも聞いたことがあったからだ。


前にも書いたけど吉村行雄さんは、
竹中にいながら写真家としても活躍してた人で今は自身で
事務所を主催していると聞いている。
僕の好きな写真家の一人。


そんな吉村さんと一緒に食事した時のことこんなことを言っていた。
「僕は何度も、アスプルンドの建築を見に行くのですがそれは感動するため
 なんです。同じ建築を見に行って、以前と同じように感動できるというのは
 自分の感性がまだ鈍っていないということなんだと僕は思うんです。
 だから、やっぱり建築を見て感動できなくなってしまったらまずい
 とおもうんです。」


「感動」というのは考える前に「感」じて
思わず身体が「動」いてしまうような状態のことをいうのだろう。
だれが考えたかしらないけどなかなかいい言葉のような気がします。


写真は海の博物館
最近、一番感動した建築と言われればやっぱりこれかもしれない。