010 変わる家族 変わる食卓

アサツー ディ・ケイが1998年から2002年までに行った食に関するマーケティング調査の結果のまとめ。合計2331食を分析したそうだが、調査結果は悲惨の一言。食べる事についてぼくたちは恐ろしい速度で鈍感になっている気がした。食卓にご飯とみそ汁と漬け物と2〜3種類のおかずがあって、家族揃って食べるということが日常ではなく理想になりつつある。


「できるだけ楽して好きな時に好きなもの好きなだけ食べたい」というのは誰もが思うこと。その思いを叶えるために生産やら輸送やら保存の技術が発展してきたとも言える。その結果、それなりの値段でそれなりの質のものを「できるだけ楽して好きな時に好きなもの好きなだけ」食べれるようになった。


人間、苦労して手に入れたものほど大切にするもの。
一年の間で決まった時期にしか採れなくて、保存が利かない素材なら、調理法も考えるし、なるべく美味しく家族みんなで食べたいとおもうだろう。一方、冷凍庫に入れといて好きな時に好きだけ解凍すればいい冷凍食品なら、食べ得たい時に食べたい人がレンジに入れればそれですんでしまう。技術の進歩が僕たちを鈍感にしている面もある気がする。


ただ、食べる事に鈍感になっているのは、鈍感でも問題なく暮らせるからだろう。
今でも飢餓が問題になっている地域が少なくないことを考えれば
幸せな事なのかもしれない。