007 走ることについて語るときに僕の語ること

村上春樹の小説は、何となくだいたい全部読んできた。
きっと色白のちょっと不思議な雰囲気のオジさんが、
鼻歌まじりにスイスイ書いてるんだろうな〜と思っていたが全然違った。


「勤勉で我慢強く体力があるというのが、今も昔も僕の唯一の取り柄である。」
と言い
「僕自身について語るなら、僕は小説を書くことについての多くを
 道路を毎朝走ることから学んできた。
 自然に、フィジカルに、実務的に。」
と言う村上春樹を僕は全く想像していなかった。


本のなかで村上さんは、
「僕は走りながら、ただ走っている。
 僕は原則的に空白の中を走っている。
 逆のいい方をすれば、空白を獲得するために走っている、
 といえるかもしれない。」
と言う。


自分自身、
最近はほぼ毎日走っているし、ほぼ毎日泳いでいる。
でも、走るのが好きかというわれるとそうでもない。
泳ぐのも同じ。
ではなぜ?と言われると、僕も空白を獲得するために
走っているような気がする。