015キサラギ

「映画って楽しいな〜」と素直に思える作品。
おもしろい。


後で思い返してみると
推理小説としては、トリックがちょっと簡単だし
設定やストーリーも何だか都合が良すぎる気もする。


でも、それを差し引いても十分おもしろい。
キャストがよい。そしてテンポもよい。
そして最後にキララギミキらしいキサラギミキがでてくるのがよい。

「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」

kentoida2008-05-10

久しぶりの森美術館。以前弟が勧めていたのを思い出して雨の中行ってみたが、なかなか面白かった。


まずは、やっぱりDamien Hirst。センセーショナルに語られがちだけど、実際に見てみるとまっとうな美術品だった。ホルマリン漬けで思い出すのは4年前の「人体の不思議展」、あっちが学術的な標本だったのにたいし、Hirstの方は美術品になっているというのは、見せ方の違いが大きいのかもしれない。



Anish Kapoorもよかった。金沢21世紀美術館では専用の展示空間がつくられていたけど、今回のようにさりげなくおいてある感じの方が自分の好みにはあっている。どこまでも続いて行くような深い闇が印象的だった。カーンは、暗闇とは違う光のない状態を「lightless」という独自の言葉で語ったけど感覚としては闇というよりそっちに近い。



建築的思考に近い作品と言う意味ではRachel Whitereadが気になった。似たようなアイディアは建築でも見た気がする。

Grayson Perryもいくつか作品が展示してあったけど、数が少ないせいか、去年金沢の個展に行った時に感じたようなエネルギーはあまり感じられなかった。


今回の展示で一番驚いた作品と言えばSaskia Olde Wolbersの映像だった。何が何だかよくわからないけど、とにかくすごい映像 


写真は、Kapoorの出身地インドで見つけた寺院の柱。一本の柱の中の影の落ち方が本当にきれいだった。

010 変わる家族 変わる食卓

アサツー ディ・ケイが1998年から2002年までに行った食に関するマーケティング調査の結果のまとめ。合計2331食を分析したそうだが、調査結果は悲惨の一言。食べる事についてぼくたちは恐ろしい速度で鈍感になっている気がした。食卓にご飯とみそ汁と漬け物と2〜3種類のおかずがあって、家族揃って食べるということが日常ではなく理想になりつつある。


「できるだけ楽して好きな時に好きなもの好きなだけ食べたい」というのは誰もが思うこと。その思いを叶えるために生産やら輸送やら保存の技術が発展してきたとも言える。その結果、それなりの値段でそれなりの質のものを「できるだけ楽して好きな時に好きなもの好きなだけ」食べれるようになった。


人間、苦労して手に入れたものほど大切にするもの。
一年の間で決まった時期にしか採れなくて、保存が利かない素材なら、調理法も考えるし、なるべく美味しく家族みんなで食べたいとおもうだろう。一方、冷凍庫に入れといて好きな時に好きだけ解凍すればいい冷凍食品なら、食べ得たい時に食べたい人がレンジに入れればそれですんでしまう。技術の進歩が僕たちを鈍感にしている面もある気がする。


ただ、食べる事に鈍感になっているのは、鈍感でも問題なく暮らせるからだろう。
今でも飢餓が問題になっている地域が少なくないことを考えれば
幸せな事なのかもしれない。

008 サブプライム問題とは何か

何かと話題のサブプライム問題を解りやすく解説。自分なりの理解をまとめると・・・


そもそも自分でお金を貯めて、そのお金で家を買えば銀行にお金をかりる心配はない。でもそうはいかないからみんな銀行からローンと言う形でお金を借りる事になる。借りる人は、もちろん自分が返せるかちゃんと計算するし、銀行もちゃんと払えるのかしっかり調べる。


でも、銀行もだんだん自分でお客をみつけて、ちゃんと貸した金を取り立てるのが面倒になった。そこでお客探しは不動産ブローカーにまかせて、ローンもまとめて証券化して投資家に売ってしまうことにした。そうすれば、銀行にはなにもしなくてもドンドン手数料が入ってくる。


ブローカーは、お金を貸した人が返そうが返すまいが契約件数で収入が決まるので、審査は当然あまくなる。審査があまくなれば当然銀行が文句をいうはずが、銀行はローンを証券化してしまっているので、証券がうれればそれでいいから、実際にちゃんとお金が返ってくるかは極端に言えばどうでも良くなってる。では証券を買った投資家が、ちゃんと審査しろと要求するかというと、住宅ローンは証券化され、分割され、組み合わされているので、もはや自分の買った証券が実際だれが借りたものなのかなんて突き止めるのはほとんど不可能で、AAAだから問題ないだろうと何もしない。


今までは、銀行がローンの利子をもらっていたところに、不動産ブローカーと投資家が入ってきて、人が増えたおかげで、みんなリスクに鈍感になってしまい、貸せば貸しただけもうかるからみんなドンドンお金をかすようになって、今まで見向きもしなかったプレライム層(優良顧客)のしたのサブプライムまでどんどんお金を貸すようになった。


でも、やっぱりサブプライムはプライムではないので、お金をちゃんと返せなくて、みんないっぺんにこけ出した。


というのが自分なりの理解。保険屋で働いている友人曰く、「借金するほどお金がない人が、返済できるわけがない」とのこと。そう言われてみればそんな気もしてしまう。

009  千年、働いてきました

アジアを旅する中で「日本にだけ老舗が多い」気がしてきた野村進が日本の老舗19社を紹介。何気なく日常使っている工業製品たちがちょっと輝いて見える素敵な一冊


成功の物語は、後からまとめて聞くと華やかだけど、その過程は地味で賛同者の少ない厳しい道のりだったはずだ。技術者として、他の人にまねできない自分たちだけの技術というのは魅力的だけど、それを確立するには、地味な努力の積み重ねが必要なのだろう。